毎度ありがとうございます。
清水でございます。
いつも納車報告ばかりですが今日はサービスネタで。
いつもメンテ&カスタム依頼を頂戴しております同級生のA君
早朝軽く流しに行き、帰りに雨に降られてグリップヒーター焚いて、信号で止まろうと減速したらエンスト!
そしたら、うんともすんとも言わず、当然ですが再始動もできず、レッカー出動依頼がありました。
引取の際、症状を伺い原因の追究
バッテリーを充電したら難なくフツーに動きます。
搭載バッテリーは「ショーライ」
賛否両論ありますが、個人的には安くて、軽くて、長期保証 ケー●゛デンキのCMソングみたいでスキです。
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カモン!も正規取扱店です♪
しかし曲者バッテリーですので、純正の鉛バッテリー搭載時と比較して診断中に「?」「?」「?」となってしまうことも・・・。
バッテリー電圧が鉛バッテリーと比較して5%ほど高めです。
一般的に12Vバッテリーと言いますが鉛の新品が12.6V前後出ますが、ショーライ君は2年たっても13.3Vも出てます。
エンジン始動して充電系のチェック
エンジン回転を上げていくと14.5Vほどまで順調に上がり、アイドリングでも13.4~13.5V程度
な~んも問題 有馬温泉
エンジン始動後最初はいいのに、5~10分程度するとサボり出すタチの悪いレギュレーターも「あるある」ですので、その辺も疑いながら診断を進めますが絶好調。
仕方なく、この暑い中グリップヒーター全開(炎)
試運転で再現されるか確認します。
20分ほど走行して途中でバッテリー電圧を測ると12.8V
鉛バッテリーなら正常値ですがショーライにしてはちょいと低め
そのままさらに10分ほど走ってみたら、ついにバッテリー電圧が12.0Vを切りました。
それでもエンジン回転を上げてやるとバッテリー電圧は13.5V程度までチャージされています。
バッテリー電圧だけで診断しようとすると、SHORAIバッテリーの特性が邪魔をして診断に迷いが出ます。
店に戻って手持ちの鉛バッテリーに交換
もう一度、グリップヒーター全開で試運転です (´д`ι)
今度は5分も走ったら、症状が再現されました。
途中で止まるとメンドーなのでさっさと店に戻って原因を探ります。
アイドリング時11.8V、エンジン回転を上げていっても12.5Vしか出ません。
ただエンジン回転を下げなければ12.5V出ていますので普通に乗れてしまいます。
まだ新しい車両だし、レギュレーターのパンクかな?と思っていましたがジェネレーターの出力電圧を測定すると3相のうち2相は問題有りませんが1相がサボっていましてアイドリングでAC11.5V、エンジン回転を上げるとAC20V程度です。
完全に1相お休みしてくれたらもっと診断が早く楽にできたと思いますが、中途半端に発電するし、SHORAIバッテリーだし判りにくいっ す。
まあ原因はハッキリしたので見積もりしてA君へ連絡。
思ってたよりステーターのパーツ代も安く諭吉さんお二人でお釣りがでます。
電気関係のお仕事しているA君は電圧見える化を希望。
ヨシムラのデジタルメーターを希望でしたがまさかの長期欠品チュー。
仕方なく他メーカー品で行きます。
パーツが揃ったところで作業進行。
1相サボってしまうステーター
目視では何ともないかと思ったらしっかりコゲコゲです。
当然ですが上が新品です。
ステーターを交換して、ついでにマルチメーター(油温&電圧)取付
作業完了でございます。
順序が違いますが、A君からサービスマニュアルを借りていたので興味もあり点検方法などを確認
昔からヤマハさんのマニュアルって私が知る限りステーターとかパルスジェネレーターの診断方法が抵抗値オンリーと思います。
当該ページを見て見るとやはりステーターコイルの点検方法は各相の抵抗値を測定するように書いてあります。
症状の再現がされている時、電圧だけで判断できてしまい、抵抗値を測り忘れました。
走行後、温間での症状再現中の抵抗値は1相のみ違う数値が出ると思いますが冷間時というか交換後に測ったら、ちゃんと3相とも基準値の0.2Ωを表示します。
こちらの写真はブログ用にわかりやすく外してから撮りました。
こんなこと書くと専門の技術者からお叱りを受けそうですが抵抗値での診断でなく電圧での診断のほうが、個人的には間違いないと思います。
今回の症状で、症状再現中のステーター各相の抵抗値を測り忘れて書くのも何ですが、異常ある1相が完全に断線していれば診断ミスにはならないと思いますが、1相だけ抵抗値が外れていても気が付かず、故障頻度の高さからレギュレーターを交換してしまう事が十分考えられます。
どうしてACジェネレーターの発生電圧での診断を指示していないのか不思議です。
ACジェネレターのようなバイクの中では大きな発電をしている箇所ですので診断しやすいですが、パルスジェネレーター(ピックアップコイル)のように瞬間的に小さな発電しかしていないコイルの場合には、なおさら電圧で診断したほうが診断ミスが起きにくいと感じます。
と思い付きで今、WR250Xのサービスマニュアルを調べてみるとパルスジェネレーター(ヤマハのマニュアルにはクランクシャフトポジションセンサーと記載されています)の診断も抵抗値248~372Ωが正常と書かれています。
これもパルス電圧を測定することで診断したほうがいいんじゃないかと思う私は、過去うちのサービススタッフには充電系・点火系のコイルの診断には基本電圧を測定するよう指導しています。
そうそう、
スパークユニット(古いっすね)の診断もピーク電圧測定で診断します。
電気系の診断が苦手な方は怪しい部品と信頼性のある部品を入れ替えて点検するクロスチェックが一番です。診断ミスるとパーツもお高いですし(笑)
まあ、いっそ診断ミスったついでに点火系すべて新品とか、充電系全部新品っていう修理を他店でやってもらった話も時々聞きます(笑)(汗)
電気は目に見えないし、ある日突然壊れるし~
クルマもバイクもEVになったら電化製品みたいに修理でなく新品買い替えとなってしまうのか?あー恐ろし~